市民でも庶民でもなく４２

　色々と異論はあるかもしれないが、日本にも市民社会が根付いてきた。ここでいう市民社会と言うのは、一人一人が政治や自治に意識を持っているという意味である。

　かつて、それに対する言葉として「大衆」があった。「民衆」とも違うこのニュアンスは、なにか顔の見えない集団という感じである。
　いわゆる大衆消費社会と言うのは、均質な品質の物を広く行き渡らせるという所に意味があり、それを至上命題として全てが動いてきた。それは商品に限らず、人間の個性や生き方に対してもそれが求められた。
　急速に経済成長を成すにはそれが都合が良かったが、一定の成熟に達するとそれは足かせとなった。ある意味、それを抜け出せる過渡期にあるのが現代の混沌とした社会と言える。

　技術が進めば進むほど、機械や技術、システムまでも小型化し集団が持つ物から一人一人にあてがわれる様になった。それは希求してきたものではあるのだが、それに対応できずに孤独感や寂しさを募らせる問題も出てきた。

　ここでは、今では聞かれなくなった「大衆」を掲げるものを取り上げ、それがどのような道を辿るのかを見て行きたいと思う。

（「一般の方でも・・・」とあると逆に敷居が高そうです。）

（出前に走るであろう、バイクの配置が良い感じです。）